インフォメーション
今回は、一昨年、昨年と「ドローン播種委託」をいただいていた生産者様から、1週間程前に、切実なSOSが入った際のエピソードをご紹介します。 新しい直播栽培技術への挑戦と、そこで発生したアクシデント、そして弊社の技術がどのようにそのピンチを救い、次年度への希望を繋いだのか、その詳細をレポートします。
■ 1. 突然のSOS:「代掻き同時浅層土中播種」でのアクシデント
事の始まりは、この生産者様が今年導入された「代掻き同時浅層土中播種機」※https://isi-mfg.com/items/an201-hrs-un2、トラクターの後部に装着するタイプの播種機)でした。 2025年は気温が低く、ドローン播種での発芽があまり良くなかった経験から、2026年の今年は代掻きと播種を同時に行う直播栽培に挑戦されたのです。
しかし、播種から1ヶ月が経過しても「全く出芽が確認できない」という、極めて深刻な事態に陥り、弊社に助けを求められました。
実は、この「代掻き同時浅層土中播種栽培」は決していま流行りの新しい技術ではありません。約10年前に農研機構(NARO)東北農業研究センターなどから技術マニュアル(※
石井製作所代掻き同時浅層土中播種.pdf (6.78MB))が発行され、確立された直播栽培方式の一つです。
しかし、発表から10年経った現在でも、この技術を知る人や導入している方はごく僅かです。なぜこれまで普及しなかったのか。そこには、今回のトラブルにも直結する「ある大きな不安定要素(リスク)」が隠されていました。
■ 2. なぜ普及率が低いのか?技術マニュアルから読み解く高い失敗リスク
弊社でも、この技術について改めて検証を行いました。技術書やマニュアル(※ 石井製作所代掻き同時浅層土中播種.pdf)を読み解く限り、この栽培方法は「作業技術の正確さが成功の成否を100%左右する」という、非常にシビアな側面を持っています。
今回のアクシデントの原因として、以下の2つの不安定要素が重なったと考えられます。
原因1:極めてシビアな「播種深さ」の調整
技術マニュアルの肝は、鳥害を防ぎつつ出芽を確保するため、泥のなかの「浅い土中(1cm程度)」に正確に播種し、ローラーで適切に鎮圧することです。 しかし、これを作業機の調整だけで完璧にコントロールするのは非常に難しく、助けを求めてきた生産者様も「指示通りの深さに調整できていなかった」との見解でした。わずかでも深く埋まってしまえば、即座に不発芽に繋がります。
原因2:「未コーティング籾(催芽籾)」という最大の不安要素
この技術の最大のメリットとして謳われているのが「種子コーティング不要(無コーティング)」という点です。確かに籾をコーティングするコストは「ゼロ」になります。
しかし、植物の出芽メカニズムを考えると、これは非常に危険な賭けでもあります。 マニュアルにもある通り、表面播種(鉄コーティング)や通常の土中播種(カルパーコーティング)とは違い、生の籾(催芽籾)をそのまま土に埋めるため、少しでも深くなったり水管理を誤れば、籾が「酸素不足」を起こして死んでしまう(腐ってしまう)リスクが極めて高いのです。
「コストゼロ」の裏にある「作業精度の難しさ」と「籾の酸欠死リスク」という不安定要素こそが、この技術の普及率が低い本当の理由だと感じます。
■ 3. 周囲は田植え終了…絶望の中での緊急コーティングと「スピード納品」
生産者様がSOSを発した時点では、周囲の田んぼはすでに田植えが完了していました。 「せっかく買った高価な機械も、今年の作付けも無駄になってしまう……」と、絶望的な状況のなか、この時期に対応できるコーティング業者も見つからず、最終的に弊社へ連絡が入りました。
一刻を争う事態に、 SOSを受けてから4日前に生産者様から大切な籾をお預かりし、弊社が勧めているカルブレンドコーティング処理を敢行。そして本日6/22午前中、無事にすべての籾を生産者様の手元へ納品してまいりました!
お預かりした3品種、計80kgの籾は、土中での酸素不足リスクを劇的に低減できる確かなカルブレンドコーティングを施しています。
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もち米:「わたぼうし」
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うるち米:「コシヒカリ」
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高温耐性米:「にじのきらめき」
(※ トップ画像のように、品種ごとに籾ネットに分け、納品いたしました。なんとか今年の作付けに最速でバトンを繋ぐことができました)
■ 4. ピンチをチャンスに。来年度に向けた新しいご提案
せっかく導入された素晴らしいハローと代掻き同時播種機です。機械を眠らせてしまうのはもったいありません。 そこで弊社では、今回の苦い経験を糧に、来年度に向けた「最新の播種機を上手く活用した、新しい栽培方法」をさっそく生産者様へご提案しています。
それは、弊社で少し特殊な処理を施した籾を使用する技術です。 この特殊処理籾を導入することで、以下の2大メリットを実現します。
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作業の劇的な軽減(これまでの煩雑な管理やシビアな機械調整をサポートします)
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出芽率の大幅な安定化(土中播種最大の弱点である『酸欠リスク』を抑え、確実な苗立ちを確保します)
これまでの「コストゼロだけどハイリスクで普及しなかった無コーティング方式」から脱却し、播種機本来のポテンシャルを「安全に」「楽に」100%発揮させるための画期的なプランです。
「新しい技術に挑戦したいけれどリスクが怖い」「今年の直播で出芽不良に悩んだ」という生産者様、ぜひ一度、弊社にご相談ください。技術資料の確かな裏付けと、圧倒的なスピード対応、そして柔軟な提案力で、共に最適な解決策を見つけましょう!


